こんにちは。心理カウンセラーの宗方久美子です♪
過食にお悩みの方々とお話ししていると、よくこういうことを聞かれます。
「何を食べればいいですか?」
「○○は食べちゃダメですよね?」とか。
「これってやっぱり食べ過ぎですよね?」
「食事は1日何回がいいですか?」
「どんな栄養をとればいいですか?」など。
こんな時、私がまずお伝えしたいのは、「過食の本当の問題は食事そのものではない」ということです。
過食は食べものとの関係性が乱れている状態ですが、食事をコントロールするだけでは本当の意味で解決はしないから!
何をどう食べればいいかということで頭がいっぱいになっているうちは、なかなかいい方向には進まないんです。
今日のお話から、過食の解決策が食事のコントロールそのものにあるのではないことを知っていただき、本当の問題に目を向けるきっかけとなればと思います。
音声(無料)では、さらに詳しい内容をお聴きいただけます♪
マイルールだらけの日々…何をどう食べればいいの?
「何をどう食べようか?」
「食べるべきか? それとも食べないべきか?」
「どのくらいの量をいつ食べればいいのか?」というように、
「過食をやめたい!」
「もっとやせたい!」
その気持ちが強ければ強いほど、頭の中が食べることでいっぱいになり、厳しいルールを課してしまいがちになります。
「こんな状況から1秒でも早く抜け出したい!」
「ふつうに食べられるようになりたい!」
そう切に願いつつも、生活全体が過食でめちゃくちゃになり、先々の不安と恐怖に押しつぶされそうになる。
四六時中、そのことに縛られて、時間もエネルギーもお金も費やして、本当にやりたいことができなくなってしまう。
そして、なりたい自分からますます遠ざかっていく…
あなたもこんな苦しみの中で、ただただ悲嘆に暮れる日々を過ごしているのではないでしょうか?
心を癒やすための過食
過食に苦しみながらもなお、食べものを次々とを口にする行為は、生きるために必要なエネルギー源や栄養素を取り入れるという、本来の目的とはかけ離れています。
心の空腹を埋めたくて、心の傷を癒したくて、その救いを食べものに求めるかのように、何かしらのネガティブな感情を押し殺しながら、食べて吐いてを繰り返している…
ストレスや不安、寂しさなどの感情から一時的にでも逃れるためには、食べずにはいられない!
無心に食べものを口にしている時間だけは、苦しみから解放されるから…
そんな状態で食事をコントロールしようとすると、火に油を注ぐかのように、さらなるストレスが積み重なり、いっそう過食をエスカレートさせてしまいます。
食事を制限しようとする理性的な思考と、苦しみから守ろうとする自己防衛本能とが衝突し、心はますます混乱するばかりです!
食事コントロールは役立たない?
もちろん、食習慣をととのえれば、体調が改善したり、気持ちが明るくなるということはあるでしょう。
でも、それだけで過食を改善できるケースはほとんどないのではないかと思います。
なぜなら、本当の問題は内側の深いところにずっと残り続けるから!
いったんおさまったように思えても、何かのきっかけで、再び過食衝動が呼び覚まされ、暴走しはじめる…
そんなリスクと隣り合わせのままだからです。
特に注意したいのが自己流の食事制限です。
栄養の過不足によって、ますます心と体がアンバランスになり、結果、過食を悪化させることになりかねません。
食事をコントロールしようとすればするほど、過食の解決から遠ざかり、むしろ逆効果になってしまうんですね。
食よりもまずは心
「食事をうまくコントロールできさえすれば、過食はやめられるはず…」
「やせるためには食事制限が不可欠!」
こんなふうに考えがちになります。
でも、本当に目を向けなければならないのは、食事そのものではなくて、心理的な問題なのです。
食べものでストレスや不安を解消することはできません。
一時的にすっきりしたように思えても、根本的な問題は何も解決されないまま、いずれまた爆発します。
火山の地下深くでくすぶり続けるマグマのように…
いかに食事をコントロールしようとしても、心の奥底の声に耳を傾けなければ、解決できるわけがないんです!
厳しいルールを課す理由
自分に厳しい食のルールを課してしまうのは、どうしてなのでしょうか?
おそらくその最もたる理由はといえば、ルールによって自分自身を守ることができるように感じられるからでしょう。
「過食によくないと思うものを避け、食べる量を制限すれば、過食をやめることができて、太る恐怖からも解放される…」
「そうなったらきっと何もかもがうまくいくはず」
そう信じているから…
過食に悩む多くの方は、自分の食行動をコントロールできないことに強い嫌悪感を抱いています。
「もし何の制限も設けず、好き放題に食べたら、暴走をおさえることができなくなって、際限なく太り続けてしまうのではないか…」
そんな恐怖に取りつかれている。
また、嘔吐や下剤の乱用といった帳消し行為におよんでしまうことへの、罪悪感や羞恥心も抱えています。
だからこそ、自分自身を完璧に制御できる感覚が欲しくなるわけです。
「自分をもっとよくしたい」
「なりたい私で幸せな日々を過ごしたい」
そう願つつも、他の何かに翻弄されて、望まない状況におちいってしまう自分に対して、やるせなさでいっぱいになる…
そんな苦しい日々の中、厳しいマイルールを自分自身に課さずにはいられなくなってしまうのではないかと思います。
ますます食の暴走が止まらない!
実際は、食べることに厳しい制限を設けると、ストレスや不安が逆に強化され、ますます手に負えない状況におちいります。
食べものに「よい」「悪い」のレッテルを貼り、
「これを食べたら絶対太る」
「今は食べちゃダメ、ガマンしなきゃ!」
「ちょっとでも食べたら止まらなくなってしまう」
そんな脅迫的な思考が頭の中を渦巻いて、禁止しているものを食べるたびに、罪悪感が上塗りされていきます。
ネガティブ感情が増大し、むしろ過食をエスカレートさせてしまうんです!
食べものに支配されて
過食やダイエット依存に悩んでいる多くの方が、食べものと体重計の目盛りにふり回されています。
「早くやせなきゃ!」
「やせなきゃまずい!」
と、あなたもそんな強迫観念にとらわれて、話題の食事法にあれこれ手を出してはいないでしょうか?
皮肉なことに、食事コントロールに意識を向け過ぎることで、かえって自己コントロール力を失います。
自分が食事をコントロールしているつもりが、いつしか食べものと体重に支配されるようになってしまうんです。
外見がどうあるべきか、それを実現するためには何をするべきかという思考や信念に、人生が大きく左右されるようになります。
ゆきすぎた食事制限によって、心と体、そして食事とのバランスがますます崩れてしまうんですね。
大切なものは目に見えない
たとえ食事をうまくコントロールして理想の体型を手に入れられたとしても、本当に大切なことに目を向けなければ、過食の沼から抜け出すことはできません。
もちろん、食事プランを立てたり、食べる時間を決めたり、食事日記をつけるなどは、健康的な生活習慣に役立ちます。
でも、今まさに過食に悩み苦しんでいる方にとって、いちばん大切なのは、そこじゃないんです。
むしろ、
「どんなものでも食べていい」
「好きなものを食べて大丈夫」
というように、自分を許し、安心させてあげる必要があるんです。
カロリーや糖質、脂肪の量が気になって、本当に食べたいものをガマンしてはいませんか?
反対に、好きじゃないのに、食べたくないのに、無理して低カロリー、低糖質、低脂肪のものを選んで、なんとかお腹を満たそうとしていませんか?
ちまたで言われている「規則正しい食生活」とか、誰かのダイエット体験に影響されて、好みや体質に合わない食習慣を、自分に無理やり押し付けてはいないでしょうか?
もしそうだとしたら、がんばってガマンして、一時的に過食をやめることができて、やせられたとしても、きっと長続きはしないでしょう。
心・体・食の調和を求めて
過食の沼から抜け出す道のりで必要なのは、厳しい食事制限ではなく、心と体、双方にやさしい食事です。
何をどのように食べれば自分の心と体がよろこぶのかを、五感でしっかり感じとれるようになることが大切なんです。
あなたも、心・体・食とが調和する感覚を取りもどして、自分に合った食習慣を身につけることができた時、
「私は過食を克服できた!」
と、心から信じられるようになるでしょう。
まず、心の奥底にある問題にきちんと向き合って、その上で自分に合った食事法を探求しはじめる…この流れが重要なんですね。
過食の本当の問題は何?
食べものに関する恐れや不自然な行動がある時は、まちがいなく何か別の問題が起こっています。
ずっと見ないふりをして、向き合うのを避けて、泣きたい気持ちをおさえ込んできた、何か別の問題が内側にあるんです。
過食の沼から抜け出したい、そう心から願うのであれば、何をどう食べればいいのかはひとまず脇において、その奥深くに潜んでいる本当の問題に目を向けていきましょう。
おわりに
今日は、過食をやめたいなら食事制限ではなく、心の奥底に潜んでいる本当の問題に目を向けるほうが大切だということをお話ししてきました。
あなたにとっての「本当の問題」はどのようなことでしょう?
いったい何が「解決の糸口」となるのでしょうか?
少しのあいだ時間をおいて、自分の内側に問いかけてみてください。
どんな声が聞こえてきますか?
「過食・ダイエット依存の沼から抜け出したい!」
心からそう願うなら、まずは誰かに話してみるのもよい方法です。
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